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敗れて居座る首相に海外メディアの反応
イラクの快挙と対象して報道した米国有力紙

参院選挙の歴史的大敗を喫した自民党のニュースは海外でも大きく報道されています。米国の二大新聞は、そろってサッカーアジア杯で優勝したイラクの快挙と並べて、敗れて居座る安部首相を皮肉って報道しています。
ワシントン在住の中野有氏が米国新聞の論調を送ってくれました。

30日付のニューヨークタイムズの表紙に、イラクがサウジアラビアを破り、アジア杯サッカー大会に優勝したシーンが掲載されている。その横に、日本の参院選挙の自民大敗の記事。また、ワシントンポストの国際面では、イラク国民が優勝に熱狂している写真が大きく掲載され、それとは全く対照的に、安倍首相の焦燥しきった表情の写真があり、参院の敗退でも総理の座から降りない、との記事が掲載されている。

イラクの快挙と与党の大敗で揺れる日本の、この二つの記事を読み比べて考えさせるものがある。

サッカーのアジア杯ではイラクが韓国を破り決勝進出を決めた。その後、自爆テロが発生し50人が犠牲となった。昨日の決勝では、資金的に豊かで十分な練習を積んできた優勝候補のサウジを、練習もろくにしていない戦時中のイラクチームが敗った。イラクが優勝することを予測したものは、ほとんどいなかったという。まさに奇跡としかいいようがない。

イラクチームの優勝によって、シーア派、スンニ派、クルド族で分断されたイラクを、たった一晩だけでも一つにしてくれたのである。
分断されたイラク問題は複雑である。いくら米軍が関与しても、統一、そして安定と発展を導き出すことは容易でない。
しかし国民を燃えさせたサッカー優勝は、奇跡的にイラク情勢を変化させるパワーを秘めているように思われてならない。

平和な日本にも、参院選の結果を踏まえ、イラク国民のように何か燃えるものが必要な気がする。政治勢力の変化によってフレッシュなパワーを導き出すことを期待したい。混乱と戦時下のイラクから学ぶこともある。

(中野 有 Nakano Associates 主宰)





| - | 12:38 | - | - |
北朝鮮に関心がない?ブッシュ政権
なのに北朝鮮問題は前進している

中野 有(シンクタンカー、ワシントン在住)

ブッシュ大統領は、1にも2にも3にもイラクのことで頭が一杯になっている。従って、北朝鮮問題には関心がない。この5月、ブルッキングス研究所のタルボット所長から直接聞いた話である。しかし、最近、この言葉に反し、北朝鮮問題が前進している。

この夏、ユーラシア大陸の東西にあるパレスチナ問題と北朝鮮問題が、同時に動き出そうとしている。その背景には、ブッシュ外交の変化がある。そして、今後の展開として、カリスマ的な外交特使の役割が期待されている。

敵と交渉しないのが、チェイニー副大統領の外交戦略であり、それがブッシュ外交の主流となってきた。しかし、チェイニー副大統領の影響の陰りと共に、敵と交渉・協議するという外交姿勢が活発化してきた。

中東和平のロードマップを描く、米国、ロシア、欧州連合、国連のカルテットの中心にブレア前英国首相が、中東特使として任命され、中東を訪問中である。またライス国務長官とゲーツ国防長官が、8月上旬に中東を訪問する。さらにフランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相など米国との連携を重視する国際勢力の台頭にも注意する必要がある。

中東問題に関しては、今までとは全く違った動きが出ている。今までのブッシュ外交の真空を埋め、対話路線を通じた外交重視の姿勢だ。これは大統領選に向けた共和党のイメージ戦略のようでもある。

北朝鮮問題における日本の立場
北朝鮮問題については、ブッシュ政権の対北朝鮮政策は、融和主義的過ぎると日本メディアが主張するほど、奇妙な展開になっている。概して、軍事力が弱い日本は、外交を重視することが多かったが、現在の北朝鮮問題では、六者協議の中で、日本が最もタカ派的な立場にある。この特異な事態において、日本では対極的な二つの見方があるように思う。

第一は、拉致問題の解決なしには、北朝鮮への宥和政策を採るべきでないとの主張。
第二は、六者協議が進展する中で、日本の孤立化を回避しなければいけないとの主張。

これら二つの主張は、一見、敵対しているが、地政学的変化の中で両者の調和は可能だと考えられる。理由は、北朝鮮のような核、ミサイル、武器輸出、拉致、人権問題、麻薬、偽札に関わる独裁的国家に対し、経済制裁を科さなければいけない理由はある。
世界中を見渡しても北朝鮮ほど制裁に値する国は存在しないと思うからである。六者協議の中で、日本だけ孤立しても、それは仕方がないと考えられる。第一の宥和政策を採るべきでないとの主張にも合理性はある。

しかしながら、この主張を貫くためには、特に米国との親密な協議が不可欠である。北朝鮮に対しては、対話と圧力、アメとムチ、封じ込め政策(Containment)と建設的関与政策(Engagement)が求められるからである。この二つを併せた造語であるコンゲージメント(Congagement)即ち、日本が封じ込め政策を遂行し、他の国は建設的関与政策を行なうことで、全体のバランスがとれるという戦略である。

その上になお、日本の孤立化を避ける意味でも、北朝鮮に国際社会との協調に向けた明るい兆しが現れた時には、日本は、北東アジアの平和戦略のシナリオ、例えば、外交のみならず経済協力、北朝鮮周辺の社会資本整備などの明確なグランドデザインを示すことが重要である。
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| - | 11:37 | - | - |
日本の原発の安全性に疑問符つきつけた米国メディア
ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストがそろって
日本原発に懸念を表明したが


中野 有(シンクタンカー、ワシントン在住)

新潟中越沖地震は、原発の安全性に関連して世界を揺れ動かしている。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは、世界最大級の原発が放射能を含む水漏れを起こしたことや、その事故処理が懸念されるとの論調を伝えている。

日本政府が、原発管理技術は、世界で最も安全だと断言してきたが、本当にそうなのであろうか。

原発に対する考え方とその変化
原発に関し、概して3つの考え方があると思う。第一は、原発アレルギー。とにかく原発はいけないとの単純明快な考え方。第二は、天然資源に恵まれぬ日本にとって、少々の危険が伴っても安価で安定したエネルギーの供給を保つために原発は不可欠であるとの原発推進派の視点。第三は、その中間。即ち、エネルギーを分散させるといういう意味で、ある程度の原発は必要不可欠であるとの見方だ。
しかし、1979年のスリーマイル島の原発事故や1986年のチェルノブイ原発事故が発生したときは、原発アレルギーが世界を覆った。ところが、1990年代初頭にエネルギー不足の中国が石油輸入国になったあたりから、石油などの天然資源の枯渇の懸念から原子力への関心が高まったように思う。
その後、地球環境問題や中国・インド・ブラジルなどの新興成長国が、原子力への依存を高めているおりから、新たな原子力ブームが起ころうとしている。

数年前、ウォール・ストリート・ジャーナルの社説で、京都議定書の功績は、二酸化炭素排出量が最も少ない原子力を推進させたことにあるとの、皮肉な主張があった。多くの地球環境保護運動を推進するNGO等は、原発アレルギー派である。しかし視点を変えれば、原発と地球環境の両立は成り立つという考えも成立する。

こうした原発のブームの中で、日本はユニークな立場にある。唯一の被爆国であり、地震が多く、さらには京都議定書の定める地球環境保護の先進国であり、そのうえ原発によの技術立国という矛盾した立場だ。
被爆国という立場がもたらす原発アレルギーと地震による事故のことを考えると、原発継続の不安材料は増す。
一方、世界情勢の変化と安全保障の視点からは、原発の意義は増してくる。

実際、世界の電力の16%は原子力であり、日本国内の原子力依存度は、約3分の1と言われている。原子力の依存度が高まる傾向にある。原子力の依存度が高まることで不利を被る中東やロシアが、どのような戦略でエネルギー価格の高騰を維持させるだろうか。
さらに原発に対する懸念材料は、地震のような自然災害のみならず、原発が格好のテロのターゲットになるということもありうる。
以上のことを考がえると、原発問題は実に複雑である。
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| - | 12:56 | - | - |
香港返還後のアメリカの仕掛け
東アジア経済危機から10年の変貌

中野 有(Nakano Associates 、ワシントン在住)


香港返還で東アジア経済危機を仕掛けた米国
東アジア経済危機が発生する半年前、ぼくはホノルルの東西センターの客員研究員として北東アジアの安全保障の研究を行なっていた。その時、アメリカ人の同僚が、香港が中国に返還される時、アメリカは東アジアに経済的な仕掛けを行なう可能性が高いと言っていた。

ものの見事に、香港が中国に返還された直後にタイのバーツに異変が起こり、それが瞬く間にインドネシア、韓国まで飛び火したのである。友人の予測は現実となった。

東アジアの経済危機が発生する前、マレーシアのマハティア首相が90年代初頭に東アジア経済協議体(EAEC)を提唱し、具体的に80年代に提唱した日本の経済成功例を規範とする「ルックイースト政策」の拡張や日本に続く新興工業国(ニックス)による雁行型経済発展の勢力が増していた。
中国の開放路線も着々と成功を収め、日本のODAも効果的に機能し相互依存的な経済的互恵が成立し、経済共同体としての基礎が構築されつつあった。

同時に、世界経済全体に与える影響から、アジア中心、輸出志向型経済成長への警笛も鳴らされていた。

急速な東アジアの興隆とアジア発展への懐疑論が沸騰し始めたとき、日本は、EAECのような東アジアの結束よりも米国との協力を重視するAPEC(アジア太平洋経済協力)を推進する政策に軸足を置いた。
アジアにおける米国の影響力の低下を懸念する米国がそのようなシグナルを日本に送ったとも思われるが、日本側にも戦前の大東亜共栄圏のトラウマが少しは影響していたように考えられる。

仮に、日本が東アジアの経済統合に関し、中心的役割を果していたならば、東アジア経済危機は、最小限で回避できたかもしれないとの見方もある。

歴史は少し時間を経てから考察すると本質がより明確になる。この見方が正しければ、東アジア経済危機によって最も恩恵を受けた国は、米国だと考えられる。何故なら、東アジア経済危機の被害を被った国々を救済したのは、米国やIMFであり、東アジアにおける米国の信頼度を短期的であるにせよ揺るぎなきものとしたからである。

ヘッジファンドとソロス氏の台頭
加えて、ヘッジファンドなどの投資集団は、東アジアの経済危機で巨額の富を築いた。その中心は、ジョージ・ソロス氏である。
数年前、ワシントンでソロス氏の講演を聴いた。ソビエトの崩壊から東アジアの経済危機を緻密に分析し、経済の実践を仕掛けるソロス氏の思考には、経済、安全保障、国際情勢など多角的要因が豊富に盛り込まれていると感じた。ソロス氏は、「商業の自由だけでなく、人々の新しい考え方や、自分とは異なる考え方や行動に対して、寛容の心を持って行動するオープンソサェティーは、経済発展の重要な要素である」と述べている。
この視点は、将来のアジアのみならずグローバル経済の発展の指針であると思った。

ソロス氏がヘッジファンドを通じ、東アジアの経済危機のきっかけを作ったという見方があるが、実際はアジアの経済依存度や経済統合の仕方に弱点があったのだと思う。
その後、小泉肇氏と私が作成した「北東アジアグランドデザイン」の英語版を、ソロス氏に渡した。ソロス氏は返信をくれた。ソロス氏は、北朝鮮問題を含む東アジアの包括的な構想に興味を持っていたようだった。
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| - | 11:06 | - | - |
ブレア時代去り、世界に手を差し伸べる英国新政権
メディア戦略に明け暮れたブレア時代
新政権は負の遺産をどう精算するのか

高井祐介のロンドン便り(9)

10年という長きにわたったブレア劇場もようやく幕を下ろし、先月、英
国ではブラウン新政権が誕生しました。「ブレア効果」という言葉が示
すように、類いまれなカリスマ性を発揮し、過剰とも批判された
PR戦略を展開したブレアの時代に、英国政治は一変したと言われていま
す。来年にもと噂される総選挙に向け、ブレア後を担うブラウン新首相
にとって、労働党さらには政治への失われた信頼の回復が最大の課題と
なっています。


議場総立ちのスタンディングオベーション

辞任当日の6月27日、ブレア首相は最後の党首討論を終
え、与野党議員総立ちの温かいスタンディング・オベーションに送られ
て議場を去りました。保守党のキャメロン党首も「今後、どのような活
動であれその成功を祈る」と、ブレアの新たな門出に花を添えました。
BBCの名物記者ニック・ロビンソン氏によれば、こうした光景は極めて
異例とのこと。イラク戦争をはじめいろいろあったけど、結局、ブレア
は英国民にとって愛すべき首相だった、ということでしょう。

5月10日に退陣日程を発表した直後は、「イラク戦争を始め、政
治をダメにした首相」という烙印をメディアに押され、ブレアの歴史的
評価は早くも定まったかに見えました。しかし、時間が経つにつれ冷静
な見方も出てきて、「金ではないが少なくとも銅には値する」(ガー
ディアン紙、6/23)との評価もありました。イラク戦争に対する
英国民の怒りは、「信じてたのに裏切られた」という思いが強いよう
で、これもいわば愛情のリバウンドといえます。


ブレア政治の負の遺産

「面と向かえば誰でも説得できた」と英国メディアからも賞賛されるほ
どの魅力を持っていたブレアですが、一方でその政治手法は、「Politics of Presentation」「Politics of Celebrity」と批判されました。見た目ばかり気にして政治の中身を疎かにした、有名人とばかり付き合って一般国民に疎外感を感じさせた、というわけです。ちなみに、ブレア首相最後の官邸訪問客はシュワルツェネガー・米カリフォルニア州知事。「ターミネーター」がブレア時代に終止符を打つ、という演出を狙ったのかは定かではありませんが。

ブレア時代の政治を語る上で欠かせないのが、ニュース・マネジメント
あるいは情報操作の専門家である「スピンドクター」の存在です。
9/11の直後、「今日は悪いニュースを埋もれさせるいい日だ」との
Eメールが交わされ、後に暴露されて大騒ぎになったこともありまし
た。この「スピンドクター」として悪名を轟かせたのが、「New
Labour」ブランドのアーキテクトとしても名が挙げられるピーター・マ
ンデルソン、アラステア・キャンベルの両氏。キャンベル氏は、ブレア
首相の広報担当時代に政権内幕をつづった日記をつい先日発刊し、また
注目を集めています。


最大の過ちは、自分の魅力に対する過信だった

ブレア時代を振り返るChannel4のテレビ番組の中で、「ブレアの
最大の過ちは、自分の魅力を過信していたことだ」と出演者の一人が話
していました。ブレアは9/11の直後に米国支持を表明し、持ち前
の説得力を武器に世界各国をめぐって、米国の代わりに米国の味方とな
る国を探して回りました。しかし、イラク戦争に至ってはフランス、ド
イツなど「古いヨーロッパ」を説き伏せることが出来ず、国内の反対勢
力の説得にも苦戦していました。この時点で引き下がれなかったのは、
強すぎる自負のためだったというのです。

この番組で興味深かったのが、こうした状況の中、ブッシュ大統領は英
国の軍事的なサポートを必要としなかったが、イラクに自由と民主主義
をもたらさねばならないというブレア首相の信念は強かった、というラ
イス国務長官(当時の大統領補佐官)の証言でした。ブッシュのプード
ルと揶揄されてきたブレアですが、実際は「プードルというより盲導
犬」(デイリーテレグラフ紙、6/27)という見方も最近 出てきています。


ブラウン新首相、信頼回復にも冷めた見方

ブレア首相の辞任表明を受け、党首選への出馬を表明したブラウ
ン氏は、「No more politics of presentation」と訴え、信頼回
復に向けて動き出しました。ブレア首相が最後のお別れツアーで世界各
国を歴訪中も、「国民の声を聞くことを優先させたい」と英国内を行脚
しました。ここまでの取り組みはまずまずのようで、首相就任当日も派
手な演出は特になく、「Not a hint of spin」(デイリーメール
紙、6/28)と評価されています。

相官邸前での就任演説でブラウン首相は、英国内を回る中で「変革へ
の要望を聞いた」と話しました。「変革」といえば、昨今、政治家のバ
ズワードですが、ブレア政権で10年間閣僚を務めたブラウン首相
にとっては、教育、医療制度改革といったブレア時代の路線をさらに進
める一方、いかにブレアとの違いを打ち出すかが難問です。実際、ガー
ディアン紙(6/23)の世論調査では、有権者の61%が、ブラウン政権になっても何も変わらない、と冷めた見方をしています。
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| - | 10:00 | - | - |
原爆のタブーを破った?久間発言
戦後最大のタブー・原爆に向き合わなかった政治家と新聞
柴山 哲也(メディア・アナリスト、本会代表)

久間・前防衛大臣の、「原爆投下は仕方なかった」との発言が世論の糾弾を浴び、参院選にも影響を与えています。
「米国の原爆投下は許し難い」という日本の世論の盛り上がりに警戒感を示した米国政府関係者は、「原爆投下は戦争終結を早め、多数の日本人の生命を救った」とのコメントを発表しました。
しかし、日本の大臣が米国の原爆投下問題に直接触れる発言をしたのは、久間氏が初めてです。
10日の閣議で、戦後、日本政府が直接、米国の原爆投下に抗議したことは確認できない、との決定が行われました。(朝日新聞、7月11日)。
私の調査では、敗戦直後の占領下、鳩山一郎・元首相が「米国の原爆投下は国際法違反の戦争犯罪である」と朝日新聞のインタビューで答えています。このあと朝日は、別件でマッカーサー司令部の検閲にひっかかり、発行停止処分を受けました。(拙著、『日本型メディアシステムの興亡』ミネルヴァ書房参照)。
以降、これほど明確に原爆投下を批判する発言が、与党政治家の口から公表されることはありませんでした。
また大新聞なども、原爆投下問題を記事にすると、GHQににらまれると考えるようになり、原爆関連報道をしなくなりました。
原爆投下だけでなく、米国の核戦略全体が最大の国家機密だったので、シークレットな検閲網が張り巡らされていたといわれます。
政治家も新聞も、自主規制によって原爆問題の発言を控えるようになったのです。
日本の新聞の自主規制の伝統も、原爆に対するGHQのシークレットな検閲システムが作り上げたといわれています。
当然、原爆投下の真意の研究、分析の作業も米国の最高機密の壁に阻まれ、定説といえるものは存在していません。戦争終結より、実験との見方は有力ですが、これの証明はできません。
久間氏が述べた考えは、米国人のなかではかなり浸透している意見です。久間氏がこれを肯定したとは思いませんが、防衛大臣の立場にあった人物の不用意な発言が、戦後60年のタブーを破ったことは確かです。
なぜ、広島、長崎に原爆が投下されたのか。なぜそれを食い止めることはできなかったのか。
原爆を浴びせられた日本の戦争指導者の責任はどうなるのか。
なぜ、戦後歴代の首相と日本政府は米国に正式に抗議しなかったのか、などの疑問は、戦後史の巨大な謎なのです。
久間発言を糾弾して、政局に利用し、選挙に利用するだけでは原爆犠牲者の魂はまったく救われません。
戦後60年、あらゆるタブーと自主規制をはずして、日本人が原爆に向き合うチャンスとすべきだと思います。
| - | 10:59 | - | - |
米国の有力シンクタンクが「イラク分割案」を発表
泥沼化するイラク、民族浄化の危機回避の道をさぐる
Nakano Associates 中野 有(シンクタンカー、ワシトン在住)

ブルッキングス研究所とSAIS(高等国際問題研究所)が、イラク問題解決に向けた新しい政策案を発表した。キャピタルヒルの米軍の撤退論と一時的に米軍の増強を主張するホワイトハウスとの葛藤の中で、これはなかなかユニークな妥協案である。

イラクを3分割(シーア派、スンニ派、クルド族)しようという大胆な発想である。この大胆な分割案は、ザンビアで平和部隊構想の経験を持つブルッキングス研究所のオハロン研究員の発想なので、説得力がある。

国連の発表によると、ヨルダンやシリアに逃れたイラクの国外難民は200万人、国内の難民は170万人、毎月5-10万人の難民が増えている。
さらにはイラク国内の宗教間の報復合戦、言い換えれば「民族浄化」が深刻化している。90年代初頭のボスニアの民族浄化では、国際的支援が遅れ、約2万人が犠牲になった。人口規模から考えると、イラクの場合は、100万人規模の犠牲者が出る可能性がある。

米軍の強化が期待できない状況において、イラクの内戦や民族浄化を回避する唯一の解決策は、ソフトなイラク分割を進めることである、との主張である。

泥沼化するイラク情勢は、多数派のシーア派が唱える連邦制、クルド族の自治政府、連邦制に反対するスンニ派の対立の構図になっている。
相互の報復の根源には、シーア派の統治に反抗するスンニ派の対立にあるのだから、スンニ派が求める地方分権制度を、シーア派の納得がいく形で進めることが現実的である。

イラク全体で見るとシーア派は中央から南方に、スンニ派は南から中央に向かって移動する傾向にある。また、バグダッドの南部はシーア派、北部と西部はスンニ派が集中している。
現在の18の地域を宗派間で調整し、強制的な分割でなく、自発的な分割を促すソフトな政策である。

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| - | 09:00 | - | - |
個人のグローバリゼーションの時代
あなたのすべての振る舞いが見られているーーネットの光と影
中野 有(シンクタンカー、ワシントン在住)

ニューヨークタイムズのトーマス・フリードマン氏のコラム(6月27日付)は、いつもながらユニークである。ふとした個人の日常の行動が、インターネットやブログを通じ、世界の人々に観られるというインターネットの影の部分を伝えている。

3年前、ボストンのローガン空港で、機内で読む雑誌を買おうとレジに近づい時、別の方向から来て私の後ろに並んでいた女性が、大きな声で、「すみませんが、私が先ですよ」と叫び、そして、突き刺すような目で私を見つめながら、「あなたを知ってますよ」と言われた。明らかに私が先に居たのだが、とっさに本当にすみません、と答えた。

今日、同じようなことが起こったら、全く違う反応をしていたに違いない。「お嬢さん、誠にすみません。私の全くの勘違いです。お先にどうぞ。雑誌でも買わせて頂きましょうか。ランチでもご馳走しましょうか。あなたの靴を磨きましょうか」。

何故って? この女性がブログやカメラ付の携帯電話を使って、この偶然の出来事が、私の無礼で横柄な態度に原因がある、と彼女の一方的な見方で、全世界に伝えることが出来るからです。

みんながブログを持っており、みんなが出版社である。そういう時代だ。みんながカメラ付の携帯電話を持っていると、みんなが追っかけカメラマンにもなる。みんながYouTubeのビデオをアップロードすると、みんなが映画製作者になる。みんなが出版社、追っかけカメラマン、映画製作者になれば、その他の者は、暴かれる公共の対象ということになる。
今や、われわれすべてが、公共そのものなのである。一面で、ブログの広がりは、全世界的な話し合いをより豊かにし、より透明性にあふれたものにしている、ともいえる。

われわれは窓ガラスのある家、壁のある家に住んでいるのでなく、すべてが見え露光するガラスの顕微鏡のスライドに住んでいるようなものである。車や新聞を売るのも(ニューススタンドで新聞を買うのにしても)、正しい行いをしているのか、どのように謝っているのか、すべてを観られているのである。かつてより、より多くの人々が、あなたが行なったことや行なわなかったことを知るようになっている。

以上は、フリードマン氏のコラムの骨子である。個人のプライバシーを誰かが世界に伝えることが出来るのが、インターネットの光と影であろう。
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テロで緊張が走る英国
テロ攻撃と認定、警戒レベルは最高に

高井祐介のロンドン便り(8)


ロンドン中心部で29日、爆弾が積まれた車が発見されたのに続き、翌30日、英国北部スコットランドにあるグラスゴー空港に炎上する車が突入する事件が起こりました。
警察はこの2件の事件には明らかに関連性があるとし、これをテロ攻撃と認めました。
現在、英国は昨年8月に大規模空港テロ計画が発覚した時以来約1年ぶりに、セキュリティ・レベルが最高の「Critical」に引き上げられています。

事件の一報が伝えられてから、BBCの24時間ニュースチャンネルでは、英国が攻撃下にあるかのような緊迫した報道が続いています。グラスゴー空港ビルに突っ込んだ車は、警察や消防が突発的な爆発を警戒して消火活動にも近寄れないまま、ただ炎上し続ける様子がテレビ画面が映されていました。車に乗っていたアジア系の男2人が逮捕され、うち1人は病院に運ばれ重体ということです。

3日前に就任したばかりのブラウン新首相は緊急会議の後、団結し、毅然と立ち向かうよう英国民に呼びかけました。さらなるテロ攻撃に備えて、英国内のその他の空港や人が多く集まる会場などでも警戒レベルが高められています。

ロンドン中心部でのテロ未遂事件では、若者が集まるクラブがターゲットとされ、死傷者1700人を出す可能性もあったと伝えた新聞もありました。テロを未然に防げたのはインテリジェンスによるものではなく「幸運だった」とテレビでの専門家のコメントを聞き、身震いしました。

その潜在的な被害の大きさに加え、車にガスボンベとガソリンを積んで爆発させるという手口がバグダッドでのテロ戦術に酷似していた点を英メディアは注目しています。
さらに、グラスゴー空港でのテロでは容疑者が「suicide belt」を腰に巻いており自爆攻撃だったと判明し、衝撃を持って伝えられています。

事件の背後関係はまだ不明ですが、既に多くのメディアで国際テロ組織アル・カイーダの存在が指摘されています。ただし、大量の犠牲者を出すことなく「失敗」に終わった今、アル・カイーダによる犯行であったとしても犯行声明が出されることはないだろうと、ある専門家はコメントしていました。
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